風評被害だとぉ?
2011年6月9日(木)
我が家は福島原発から200キロほど離れた場所にあるが、それでも毎日、ガイガーカウンターは0.12マイクロシーベルトあたりを指していて、これまでなら尋常ならざる数値、空気を吸うのも怖かったはず。それなのに今では「低い数値だから安心」と思ってしまうほど国に飼い馴らされてしまった。野菜なども当初は被災地の近隣県で出荷制限があったのに、今は国の基準以下(基準は刻々引き上げられている)だからと、平然とスーパーの棚に並んでいる。
「被災地を応援しよう!被災地の食材を買おう!」という応援フェアなるものをやっているスーパーもあるが、とても手が出ない。口に入れるものは体内被曝が怖い。放射能の怖さは「今」わかるものではなく、数年後、数十年後に明らかになるという代物だからなおさらだ。福島の危険区域に残された家畜を保護しようという動きの中には、後々、放射能に関する疫学調査の役に立つという説まで飛び出していて、これ、まさか人間のことも同じように考えているわけじゃないんでしょうねと、ちょっとムカっぱら。
昨日(6月7日付)の読売新聞には弁護士の大平光代さんが、福島の野菜を支援のために定期購入しているという記事が掲載されていた。放射能の数値も明らかにされていない野菜を、リスク承知の上で購入しているとしたら、それは我が身を人体実験に提供しますという意思表示、そう思われても仕方あるまい。
もちろん被災地の方たちの生活は、放射能という思いも寄らない「武器」でズタズタに破壊されてしまったわけで、そのことに関しては本当にお気の毒だと思うし、他人事でもない。原子炉がいたるところにある日本のことだから、自分だっていつその当事者になるともかぎらない。だから被災地を支援し少しでも地域復興に役立ちたいとは思うが、国民が「情」で動いてしまったら、「加害者」である国を甘やかすだけになる。被災者救済と地域の今後の復興は、原発を推進してきた国の仕事。命を投げ出すべきは政治家。
先日の東大の五月祭に「風評被害つたえ隊」なる企画が登場した。原発事故による農作物への風評被害を解消するために、被災地の野菜を積極的に購入しようというのだ。「購買行動が控えられるのは、生産者にとってだけでなく消費者にとっても不幸なことではないでしょうか?品不足、価格変動が引き起こされ、根拠のない噂のために経済が委縮することになります。なによりおいしい野菜を食べられないことにもなります。たくさんある情報の中から正しい情報を得るって本当に大変です。でも不安だからと言って避け続けていると風評被害は拡大するばかり!自分でしっかりと安全を見極めましょう。」だと。
東大生も地に堕ちた。将来、農水省の官僚になるやもしれない大学の学生が、「風評被害」の定義もできないなんて。放射能汚染が懸念される野菜の購入によって、後々、消費者に何らかの健康被害が出たらいったい誰が責任を取るつもりなんだろう。因果関係は不明ですとでも?学生がやるべきことは、WHOの示す安全基準値よりもはるかに高い放射能が検出されている野菜を、なぜ国が安全だとアピールしているのか、その欺瞞を暴くことじゃないの?ただちに健康には影響しないなどとしたり顔で話すペテン師の一番弟子、枝野の言い草こそが、国民に決定的なダメージを与える「風評被害」。
こちとら九州の野菜農家からの定期購入の契約を済ませてしまった。魚も今、どの漁港が安全が調べているところだ。被災地の食材の購入を拒否することに対し、そのうち「非国民」なる言葉が登場するかもしれない。でも国が原発利権に目が眩んでいてまったく信用ならないのだから、放射能から少しでも我が身を守るためには国民自らが賢くなるしかない。数値が高くても健康被害はない、大丈夫なんて言葉を信じて国民がこぞって放射能に汚染された食品を購入していれば、国はどんどん基準をあげてゆくことで、原発事故も放射能汚染もなきものとしてしまうだろう。責任なんて言葉は「ポポポ~ン!」
そうした中、福島大学の准教授12名が6月6日、福島県知事に要望書を提出した。注目すべきは、低線量被ばくの健康影響はほとんどないと主張してきた山下俊一教授を福島県が調査検討委員会の座長としたことに対し、解任の要求をしていることだ。もっとも現福島県知事はプルサーマルを推進した張本人だというし、原発利権と深くつながるあの偽肛門、渡部恒三氏の甥っ子でもあるらしいから、山下教授のような御用学者を侍らせていないと自分の立場が危うくなる。知事が原発事故直後、政府に対して強い不満の姿勢を示していたけれどあれはポーズなんだとか。どこを見ても悪党だらけ。

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